洗脳支配


ただ情報を集めれば良いと考えるのが、いかに危険なことか


 対象:情報収集
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オウム真理教の信徒に施された洗脳を、解いたということでも有名な、苫米地英人氏の書籍のひとつです。経済と歴史に触れながら、いま現在の私たち日本人が知らずのうちにだまされていることを、分かりやすい文章で解説しています。

考えてみれば、私たちが共通の知識として信じているものは、学校での国が認定したカリキュラムの教育や、TV・新聞・雑誌といった大手マスコミの似通った情報元から得ているのがほとんどです。

本書を読んだ直後に気づいたのは、次のような点です。


・明治維新は、外資、主にイギリスやフランスの金融資本のファイナンスによって成し遂げられた。徳川幕府側へはフランスの金融が、薩摩・長州側へはイギリスの金融がファイナンス(=投資)していた。実際、ポンド建てで丸の内の銀行関連の建物がイギリス式で建築されて「一丁ロンドン」と呼ばれる町並みができた。

・「文明開化」と呼ばれた変化は、正しくは「ヨーロッパ化政策」と呼ぶべきで、文明開化と喧伝することにより、あたかもヨーロッパが先端の文明であるという、国民の意識への書き込みが行われた。その象徴として東京駅もヨーロッパ調で建築されて、皇居にもっとも近い場所がヨーロッパ調の町となった。

・実際には江戸時代に日本は既に、資源の少ない国土でも暮らすことができる、世界的に見ても高度な循環型社会を運用していた。政治制度も進んでおり、富を持つものと、権力(生殺与奪権)を持つものを分離させた、歴史上まれにみる安定社会であった。一つの問題点は、外交交渉力が相対的に低いことだった。それは島国である故の宿命だとも捉えられる。

・当時のヨーロッパが目指していた資本主義による物質化社会と日本は、価値観が根本から違った。それにも関わらず、イギリス・フランスからのファイナンスを受けた薩摩・長州勢力と幕府側とのもみ合いの中で、ヨーロッパ化を受け入れることになった。

・今日本を支配しているのは、総理や政治家や官僚ではなく、表に出てこない、旧来の薩摩・長州藩を受け継ぐ人々だという。国の利権によって、表に出てこなくても生活を脅かされることはない立場にいる。政治のトップの顔は、何か問題があれば首をすげ替えられるが、彼らの生活が脅かされることはない。

・利権の具体例はマスメディアで、法律によって強力に守られた存在となっている。電波法・放送法などによって、簡単には他の民間企業が買収できないように網を被せてある。ライブドアのホリエモンは、それら利権の元で生活している人達から退場させられたというのが、大きな視点からみた事実であるという。

・銀行の準備制度について全く知らなかった。準備率が仮に1%だとすると、個人が1万円を普通預金に預けると、その銀行は信用創造された100万円分を自由に使うことができるという。銀行の準備制度は、金融ギャンブルの「レバレッジ」と事実上同じこと。つまり金融業の免許さえ国から発行されれば、合法的に100倍、1000倍のギャンブルができるということ。

・アメリカのFRB(連邦準備制度)は、この準備率が0.1%を切っているとも言われ、そうすると証拠金がたったの1万円あれば1000万円以上もの金融取引ができる。アメリカの銀行は、日本に米国債を何百兆円も買わせることで証拠金を得ているので、その1000倍以上の取引が可能になっている。その使い道は、日本の銀行を買ったり(吸収・合併)、東京都心のビルなどの不動産を買ったりしている。この活動の大元である米国債は、日本の銀行が引き受けている訳だから、日本人が銀行に貯金をすればするほど、日本の会社とか土地は、どんどん外国人に奪われていくというのが大きな構図。

・このように、国に税金を納めるため、外国人にお金を吸い取られるために、私たち国民が働く、という今の状況を変えるには2つしかない。日本が米国債を買うことを止めるか、個人が銀行に貯金をすることを止めるか。個人ができることは、後者しかない。この他に著者が勧めるのは、貨幣価値変動に影響されない金などの実物資産で持つこと。

 


本書は、専門家らしい視点から、私たちが情報を得る場合の落とし穴を解説してくれています。あるテーマについて何の予備知識もない空白の状態の時は、最初にインプットされた情報を盲目的に信じてしまう傾向があるのは、確かにそうだと頷けます。こうした人間の脳生理学的しくみを知っておくことは大切だと感じます。

 

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